名古屋:6月15日(水)
オーバード: ナサニエル・ドースキー

オーバード ナサニエル・ドースキー/アメリカ/12分/16ミリ/2010 「映画には映画独自の言語があるのだ。その言語になるべく自然にしたがって、ショットとショットが共鳴しあうように私は自分の作品を編集している。最近はこの流れに沿った映画作りが、かなり上手になったと自分でも思う」。映画制作を40年以上に渡ってフィルムという素材に執着し、映画の言語を追求し続けてきたナサニエル・ドースキー。作家自身によるセレクションの4作品は短編小説集のようにお互いに絡みあう。本年のロッテルダム映画祭の大特集では、世界中のファンが集まり連日満席となった。純粋で濃密な映画体験。 上映日 Qプログラム 東京パークタワーホール:5月3日(火)16:30、東京パークタワーホール:5月7日(土)11:30 横浜:6月11日(土)19:00 、名古屋:6月15日(水)19:00


“記憶のマチエール#3”<デ・サイン22 > :ビジュアル・ブレインズ(風間正+ 大津はつね)/

“記憶のマチエール#3”< Dé-Sign22> ビジュアル・ブレインズ(風間 正+大津はつね)/2011/ビデオ/カラー/17分 カメラ:大津はつね、大津伴絵、田中綾子 出演:信太正好、林口春次、黒田オサム 音楽:クリストフ・シャルル 協力:平山誠 平成元年から毎年制作を続けているデ・サイン(脱記号)シリーズの22作目。今回は、林口春次氏(精神カウンセラー)、信太正好氏(元・陸軍大尉)、黒田オサム氏(パフォーマー)、という立場の全く異なる男性3名の方に、それぞれの戦争体験を語って頂いた。彼らの封印された戦時下の鮮烈な記憶が、今蘇る。3人の<記憶のマチエール>の差異から、我々は何を見るのだろうか。 ビジュアル・ブレインズ(風間 正+大津はつね) 1981年、TV制作会社テレフォース在籍中、Visual Brainsを結成、映像作家として活動を開始する。マルチメディアを駆使した作品を発表する一方、ディレクターとして様々なジャンルの映像制作業務を数多く手掛ける。現在は、明星大 (風間)、東京工芸大 (大津)や武蔵美大などで教鞭をとる。近著に『現代映像芸術論(出版文化研究会2007) 』(風間)がある。日本映像学会理事。 作家HP:http://www.visualbrains.com/ facebook:http://www.facebook.com/profile.php?ref=name&id=100000578259251 上映日 Gプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)11:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)16:30 京都:6月7日(火)14:00 、福岡:6月2日(木)18:40 、名古屋:6月15日(水)14:30


東京浮絵百景:五島一浩

東京浮絵百景 五島一浩/2010/3Dビデオ/カラー/14分 ピアノ:川北祥子 サポート:五島由実 3D映像作品。1台のスチルカメラで、左から右へ動きながらコマ撮り撮影、これを複製し左右の目に同じ映像を用意します。左目用の映像を右目用より遅らせることで視差を作り出し、立体映像を生成します。距離と時間によって産み出される視差は、過去と未来にまたがる視覚を作り出します。日常の時間からほんの少し遊離した、“麗しの都”東京の姿をお楽しみ下さい。 五島一浩 映像作家。フリーの映像制作者として、ビデオ、マルチメディアコンテンツなどの制作に携わる。モノクロームCG作品「FADE into WHITE #2」(’00)でイメージフォーラムフェスティバル2001大賞受賞。「z reactor」(’04)「Different Cities」(’06)他、映像作品多数。 作家HP:http://www.goshiman.com/ 上映日 Dプログラム 東京パークタワーホール:5月4日(水)16:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)11:30 京都:6月9日(木)16:30 、福岡:6月1日(水)16:20 、名古屋:6月15日(水)12:00


総ては本:萩原朔美

総ては本 萩原朔美/2011年/ビデオ/カラー/15分 撮影・編集:石原康臣 眼に見えるものは、読まれることを待っている本なのかもしれない。そんなことを考えた。中谷宇吉郎博士が雪のことを「空からの手紙」と言った。手紙ならば読んでみたいものだと思う。博士は雪を解明した。送り手はどう読んだらいいのだろう。 萩原朔美 1946年生まれ。映像作家、演出家、エッセイスト。60年代後半より、演劇、実験映画、ビデオアート、執筆活動等の分野で創作を開始。多摩美術大学教授。主な作品:『TIME』(71)『KIRI』(72)『2月20日』(88)『クローズド・グラス』(91)『映像書簡1〜11』(かわなかのぶひろと共作79—10) 作家HP:http://members3.jcom.home.ne.jp/sakumi2009/sakumi_hagiwara_web_site/TOP.html 上映日 Dプログラム 東京パークタワーホール:5月4日(水)16:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)11:30 京都:6月9日(木)16:30 、福岡:6月1日(水)16:20 、名古屋:6月15日(水)12:00


離散の歌:黒川芳朱

離散の歌 黒川芳朱/2011/ビデオ/カラー/37分 協力:佐々木柾、大南匠 僕らはみな離散者だ。言葉の起源から、絵画の起源から、音楽の起源から、イメージの起源から離散した。だから僕たちの意識は、初源の極、人工の極へと分裂する。分裂した意識は重なり合う。未来に太古を見、太古に未来を見ようとする。これはそんな離散者の、旋律も歌詞もない歌だ。 黒川芳朱 1954年、千葉県生まれ。1981年フィルム作品『セルロイドの砂漠』、ビデオ作品『眼のガリバー旅行記』で映像作家としてデビュー。以来一貫してメディアと知覚と存在を重ねるスタンスで作家活動を展開。打楽器奏者佐々木柾、ピアニスト大南匠と映像と音楽の即興パフォーマンスグループORIGINNAL SOUND TRACKを結成、活動を続ける。 上映日 Dプログラム 東京パークタワーホール:5月4日(水)16:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)11:30 京都:6月9日(木)16:30 、福岡:6月1日(水)16:20 、名古屋:6月15日(水)12:00


garden:島田量平

garden 島田量平/ 2010 / ビデオ / カラー / 9分 音楽: SJQ エクスペリメンタル・ジャズバンド “SJQ (Samurai Jazz Quintet) “とのコラボレーション作品。草、木、花、ゆっくりと変化するイメージは心象風景と重なり意識の中に溶け込んでいく。そして、奏でられる音楽は私たちを混沌へと導く。そこから見えてくる景色の映画。 島田量平 1977年東京生まれ 宝塚造形芸術大学・イメージフォーラム映像研究所卒。2000年より映像制作をはじめる。コラージュしたフィルムを蝋燭の光を使いビデオ変換する独特の手法を使用し、映画を制作している。ロカルノ国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭等で上映。イメージフォーラムフェスティバル2010優秀賞受賞。 作家HP:http://www.maroon.dti.ne.jp/shimatrop/ Twitter:http://twitter.com/shimatrop 上映日 Dプログラム 東京パークタワーホール:5月4日(水)16:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)11:30 京都:6月9日(木)16:30 、福岡:6月1日(水)16:20 、名古屋:6月15日(水)12:00


DREAMS:田名網敬一+ 相原信洋

DREAMS 田名網敬一・相原信洋/2011年/ビデオ/カラー/6分 夢の記述を長年つづけていると、年齢によって夢の内容が微妙に変化しているのに気付く。若い頃の夢は奇想天外、想像を絶する夢世界が頻繁に現れるが、年をとるにしたがって内容も穏やかになり、刺激的映像が少なくなる。記憶を編集したものが夢になって現れるという説があるが、記憶力の衰えが夢に影響しているのかもしれない。長期にわたって蓄積された膨大な量の夢世界を素材に、縦横に編集しコラージュした映画が「DREAMS」である。 田名網敬一:87年「田名網敬一展」アヌシー・シャトウ美術館(フランス)、92年「田名網敬一の世界展」池田20世紀美術館など個展開催。京都造形芸術大学教授。 主な作品:『優しい金曜日』(75)『幼視景(序説)』(78)『夢10夜』(04)『CHIRICO』(06)など多数。 相原信洋: 1965年よりアニメーション自主制作開始、以後日本全国で上映。ヨーロッパ各国、中国、カナダ、インドにて個展多数。第5回広島国際アニメーション・フェスティバル審査員、現在京都造形芸術大学教授。 上映日 Dプログラム 東京パークタワーホール:5月4日(水)16:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)11:30 京都:6月9日(木)16:30 、福岡:6月1日(水)16:20 、名古屋:6月15日(水)12:00


Grass/Sleep:五島一浩

Grass / Sleep 五島一浩/2010/ビデオ/カラー/10分 ピアノ:川北祥子 音楽プロデュース:ストラヴィンスキーアンサンブル サポート:五島由実 林でかくれんぼをしていて、茂みの中で息をひそめている記憶。時間感覚は次第にゆっくりになり、植物の時間と同化してゆきます。それは、眠りかも知れないし、臨死かも知れません。異界を覗く、子供だけが持っている特別な感覚。でも、私たちが大人になっても、異界は確かに足下に存在しているのです。 近似した静止画をオーバーラップすることによって得られる、不思議な酩酊感を楽しんでいただければ幸いです。 五島一浩 映像作家。フリーの映像制作者として、ビデオ、マルチメディアコンテンツなどの制作に携わる。モノクロームCG作品「FADE into WHITE #2」(’00)でイメージフォーラムフェスティバル2001大賞受賞。「z reactor」(’04)「Different Cities」(’06)他、映像作品多数。 作家HP:http://www.goshiman.com/ 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 、名古屋:6月15日(水)17:00


INKBLOT #2:松山由維子

INKBLOT#2 松山由維子/2010/ビデオ/カラー/10分 サウンドデザイン:森永泰弘 これは私の自画像であり、あなたの肖像でもある。ロールシャッハテストのようなイメージの変容は、いくつもの言語的な欲望を生み出し、いくつもの表情、幾人もの他者を見出すだろう。しかしこれはマクロの世界で墨汁と塩が生み出す微細な運動に過ぎない。この8ミリフィルムの多重撮影の繰り返しによって得られた偶然の集積は、小さな粒子の観察 であると同時に意味の生まれる場の観察でもある。 松山由維子 1972年、愛媛県生まれ。津田塾大学国際関係学科にて社会心理学を専攻し、映像をイージフォーラム付属映像研究所で学ぶ。 映像作品、インスタレーション作品を各国の映画祭、美術館等で発表。第10回釜山国際映画祭企画の第1回AFA (Asia Film Academy) に日本代表として選抜され参加(2005)。昨年は『Mediations Biennale』(2010、ポーランド)に参加。 作家HP:http://yuikomatsuyama.tanmono.com/index.html 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 、名古屋:6月15日(水)17:00


telescope:水野勝規

telescope 水野勝規/2010/ビデオ/カラー/15分 カメラを通して見る風景は、時に別の惑星の風景を見ているような錯覚を起こす。何百メートルなのか、何億光年なのか。もしかしたら、同じような風景がこの宇宙のどこかにあるのかもしれない。そんな近くて遠い風景。 水野勝規 1982年三重県生まれ。2005年名古屋造形芸術大学卒業。2008年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。2004年イメージフォーラム・フェスティバル一般公募部門にて『monotone』が審査員特別賞を受賞。 2005 年 『tone』、2008 年 『silent city』、2010年『graphite』をIFFにて上映。2011年 5月、アーティストランによる企画上映会『MOVING』を京都シネマにて開催予定。 作家HP:http://art.ninpou.jp/ 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 、名古屋:6月15日(水)17:00


冬: ナサニエル・ドースキー

冬 ナサニエル・ドースキー/アメリカ/22分/16ミリ/2007 「映画には映画独自の言語があるのだ。その言語になるべく自然にしたがって、ショットとショットが共鳴しあうように私は自分の作品を編集している。最近はこの流れに沿った映画作りが、かなり上手になったと自分でも思う」。映画制作を40年以上に渡ってフィルムという素材に執着し、映画の言語を追求し続けてきたナサニエル・ドースキー。作家自身によるセレクションの4作品は短編小説集のようにお互いに絡みあう。本年のロッテルダム映画祭の大特集では、世界中のファンが集まり連日満席となった。純粋で濃密な映画体験。 上映日 Qプログラム 東京パークタワーホール:5月3日(火)16:30、東京パークタワーホール:5月7日(土)11:30 横浜:6月11日(土)19:00 、名古屋:6月15日(水)19:00


終課: ナサニエル・ドースキー

終課 ナサニエル・ドースキー/アメリカ/19分/16ミリ/2009 「映画には映画独自の言語があるのだ。その言語になるべく自然にしたがって、ショットとショットが共鳴しあうように私は自分の作品を編集している。最近はこの流れに沿った映画作りが、かなり上手になったと自分でも思う」。映画制作を40年以上に渡ってフィルムという素材に執着し、映画の言語を追求し続けてきたナサニエル・ドースキー。作家自身によるセレクションの4作品は短編小説集のようにお互いに絡みあう。本年のロッテルダム映画祭の大特集では、世界中のファンが集まり連日満席となった。純粋で濃密な映画体験。 上映日 Qプログラム 東京パークタワーホール:5月3日(火)16:30、東京パークタワーホール:5月7日(土)11:30 横浜:6月11日(土)19:00 、名古屋:6月15日(水)19:00


EXIST:新山哲河

EXIST 新山 哲河/2010/ビデオ/カラー/2分 監督・映像: 新山哲河 音楽: 松本好央(FLOATING IN SPACE) 作品のテーマは「存在」です。風の揺らぎや光の輝きを切っ掛けに、空間に馴染んでいた透明物体が現れては突如として消えてゆく。与えられた時間の中で、ただ懸命に躍動、演舞し、その存在を表現し続ける。「それは個であり、集合体であり、全ては世界という存在の一部である」 そんなイメージを映像化しました。(N.T.) ニュートンとは異なり、ゲーテは色彩の生成に光と闇の両方が必要と捉えた。光と闇は作用し合う両極であり、その狭間に色彩が生まれるとする「色彩論」の感覚的図解のようなCG作品。膨大な計算で導きだされたデータの振る舞いであるにも関わらず、光と闇の躍動により一瞬生まれ出る色彩には、生命のあたたかみすら感じる 新山 哲河 CGディレクター/デザイナー。2009年、オリジナル作品『MIZU-HANABI』を発表。 作家HP:www.niiyama.com 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 名古屋:6月15日(水)17:00 横浜プログラム2 横浜:6月10日(金)14:10


Que voz feio(醜い声):山本良浩

山本良浩/2011/ビデオ/白黒/8分 出演:小安雪子、小安悦子 イメージ、音、文字からなる意味解釈と知覚体験。映画はレベルを異にする認識の多重体である。継時的なそれを一つに統合するのは映画を見ているそれぞれの「私」だ。映画の内容および、それがどのように創られ、どのように見られるのか、といった映画を見る体験の総体に私は興味を持っており、観客に通常の映画を見るような画一化されたありかたではなく、多重的で、見るたびに「私」が変化するような認識を与えたいと考えている。(Y.Y.) 双子の女性が別々の場所にいる。柔らかな物腰で、幼少期のある事件を語りだす。鑑賞者は2画面の映像、音声、字幕を同時にうけとり、そこに微妙な差異がある事に徐々に気づく。片方に注視すると他方が疎かになり、双子の記憶と同様に、細部が混ざり曖昧になる。時間、話者、字幕など様々なレベルでの「差」を体験する映画。 山本良浩 1981年、千葉県柏市生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。東京芸術大学先端芸術表現専攻修士課程在籍。イメージ、音、文字、展示形式など、映像を「見る」という行為を異なる認識の多重体と捉えて、短編映像作品とインスタレーションを制作している。 上映日 Gプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)11:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)16:30 京都:6月7日(火)14:00 、福岡:6月2日(木)18:40 名古屋:6月15日(水)14:30 横浜プログラム2 横浜:6月10日(金)14:10


あめやさめ:タケヒロ雄太

あめやさめ タケヒロ 雄太/2010/ビデオ/カラー/70分 スタッフ・撮影協力:田中愛美 作詞・作曲:misa 2010年1月、じいちゃんが抗癌剤の治療をやめた。人の生き様と死に様、それは滴れ落ちた雨粒の様に、静かに一番安らげるところまで流れていってしまう。同じ11月3日に生まれた私とじいちゃんの、一歩ずつ、強く真っすぐに向き合う時間。(T.Y.) 祖父と同じ誕生日の作者が末期ガンを患う祖父の最期と向かい合うドキュメンタリー。山間の佇まいや夕景などの素晴らしい風景ショットに、ナレーションとともに挿入される雨や水の滴り。そこに人生の流れを象徴的に描きながら、此岸と彼岸を見つめる哀感を帯びた世界が展開する。生とは何だろうか、家族とは何だろうか。 タケヒロ 雄太 1982年生まれ 元テニスコーチ、元寿司屋、元留学生。『過日』・『Like a Drop Rain』・『SEE SEA SAW』など、エクスペリメンタルなフィルム作品を海外で発表してきた。 上映日 Gプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)11:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)16:30 京都:6月7日(火)14:00 、福岡:6月2日(木)18:40 名古屋:6月15日(水)14:30 横浜プログラム3 横浜:6月10日(金)16:30


狐火:土屋由貴

狐火 土屋由貴/2010/ビデオ/カラー/30分 はじめに火があった。記憶の中に流れる、ゆらめく火を映す川。提灯、ぼんぼり、古い街。調べてみると、描かれた火のもつかたちに惹かれた。そこからは、神様、妖怪、火の百鬼夜行。一つのモチーフが自分の中で様々なイメージに変化していった。現象から抽象へ―炎色反応や高速度撮影を繰り返し、絵画の中の炎に近付ける。映像は、具体的な物語を繋ぐだけのものではない。ここに流れる時間が、現象であり、化学であり、心象となるように。(T.Y.) 岩肌のようにざらついた黒い背景を前に、ふんわりと動き回る白い炎の群れ。時には左右対称に、時には上下対称に、浮かんだり落下したりする。その無秩序のようで秩序立ったシュールで摩訶不思議な絵模様が紡ぎ出す多様なイメージは見るものの想像力を刺激する。やがて画面の中央に紅蓮の炎が立ち上り、白い煙で覆われていく。 土屋由貴 1985年東京都生まれ。2010年武蔵野美術大学大学院映像コース修了。 2007年『沚(なぎさ)』イメージフォーラム・フェスティバル一般公募部門入選。 作家HP:http://yukitcy.tumblr.com/ 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 名古屋:6月15日(水)17:00 横浜プログラム2 横浜:6月10日(金)14:10


待ち合わせ:白玖欣宏+平岡佐知子

待ち合わせ 白玖欣宏+平岡佐知子/2011/ビデオ/カラー/3分 出演:川村瑠璃 整音:堀修生 協力:清水薫、高澤ナホ、谷端実、古澤龍、村上雄大 人の体に焦点をあて、シルエットで表現し、画面内の情報量を体の情報とレイヤー情報、音声情報しか与えない様にする事により、視聴者の奥行き知覚、遮蔽関係といった特有の視覚認識、更には視聴者の各々の自由な解釈での、空間・背景・色の補完を促す事を狙った。実際に友人と落ち合う迄の「待ち合わせ」の模様を記録した動画と音声素材を基に、友人が発した言葉のみを「ロトスコープ」を用い、画面上に抽出するという手法によって制作した作品。「群」から「個」を浮かび上がらせたかった。(H.Y. + H. S.) 人間は視覚的特徴をパターンで認識している。では実際に、ある部分を抽出してみたら世界はどう映るのか。渋谷駅前スクランブル交差点で試みてみよう。電話で逐一描写された服装の該当部分を、リアルタイムで拾い出し、切り抜き、白い画面に黒で位置と数に変換する! 気の遠くなる作業で人間の「当たり前」を再現する試み。 白玖欣宏+平岡佐知子 東京藝術大学大学院 映像研究科 修了(白玖)。武蔵野美術大学大学院 造形研究科 在学(平岡)。2008年より共同でデザイン制作を開始。「イメージフォーラム・フェスティバル 2009」入選、「ロッテルダム国際映画祭 2010」、「香港国際映画祭 2010」正式招待、「2010 ASK?映像祭」ASK?賞、「BACA-JA 2010」優秀作、「第14回 調布ショートフィルム・コンペティション」入選、「シンセダイ・シネマ・フェスティバル 2011」正式招待等を果たす。 facebook(白玖):http://ja-jp.facebook.com/people/Yoshihiro-Haku/100001467757435 facebook(平岡):http://ja-jp.facebook.com/people/Sachiko-Hiraoka/100002038936009 上映日 Gプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)11:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)16:30 京都:6月7日(火)14:00 、福岡:6月2日(木)18:40 名古屋:6月15日(水)14:30 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


遣取:小室萌佳

遣取 小室萌佳/2011/ビデオ/カラー/10分 万物は出会い生成と消滅を繰り返し、物を渡し合い、その遣り取りは無限に続くけれど、渦中をさまよう生は滑稽なまでの反復と秩序をもってここにあり続ける。私達は増減のしようが無い絶対量を、凝固し循環させては擦り合い、そしてどこへもいかない。 映像の実写素材は片栗粉、水、セミの足、ビールの泡。沢山の本物が私の制作を助けてくれた。(K.M.) キネティックアートを彷彿とさせる映像作品。ゴボゴボという泡音とともに現れる多彩なオブジェは、進化の過程かそれともただ停滞しているだけなのか。大きな展開の変化は見られないが、不思議な現象を発見したときの感動が10分間持続する。細部と全体を交互に見比べ、我々の知り得る世界観と強引に結びつける鑑賞法も一考されたし。 小室萌佳 1989年、広島県呉市生まれ。ライフワークである絵画の物語性を発展させ、映像・映像空間を制作する。2011年、武蔵野美術大学卒業・修了制作展で優秀賞を受賞。同大学映像学科卒業。現在、東京藝術大学大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 在学中。 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 名古屋:6月15日(水)17:00 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


サラバンド: ナサニエル・ドースキー

サラバンド ナサニエル・ドースキー/アメリカ/15分/16ミリ/200 「映画には映画独自の言語があるのだ。その言語になるべく自然にしたがって、ショットとショットが共鳴しあうように私は自分の作品を編集している。最近はこの流れに沿った映画作りが、かなり上手になったと自分でも思う」。映画制作を40年以上に渡ってフィルムという素材に執着し、映画の言語を追求し続けてきたナサニエル・ドースキー。作家自身によるセレクションの4作品は短編小説集のようにお互いに絡みあう。本年のロッテルダム映画祭の大特集では、世界中のファンが集まり連日満席となった。純粋で濃密な映画体験。 上映日 Qプログラム 東京パークタワーホール:5月3日(火)16:30、東京パークタワーホール:5月7日(土)11:30 横浜:6月11日(土)19:00 、名古屋:6月15日(水)19:00