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APARTNESS:五十嵐耕平

APARTNESS 五十嵐耕平/2010/ビデオ/カラー/25分 出演:青木沙織 五十嵐耕平 スタッフ:日下部隆太、大野隆介、豊田知香、 稲葉雄介、大坂悠、高柳綾佳、片寄弥生 音楽: Sleepy Lemon (Urawa Hideki) 既に過ぎ去ってしまった個別の時間、感情は、その只中では饒舌にああでもない、こうでもないと語り、引き裂かれ、分離し、相容れない感情に振り回され、混沌として語られざる物語になっていく。そしてこの、”かつての饒舌な日々”こそが沈黙と呼ばれるものだろうし、しかしその沈黙が唯一、もう断絶して決して戻る事のないものを、それでもなんとか繋ぎ止めようとする力にも思える。(I.K.) アパートの一室で同棲する男女。その会話の内容から二人の別れが近いことを知る。部屋が狭い物理的な条件も手伝って、スタッフがとらえる映像は終始キャストと接近している。その極端な密着性と一見ありふれているようで周到に用意された日常会話が、見る側をリアリティの極みに誘い込んだ。こんなに近いのに、なぜ別離があるのかと。 五十嵐耕平 1983年静岡県生まれ。 東京造形大学の映画専攻に進学し、在学3年次に制作した初長編映画『夜来風雨の声』(やらいふううのこえ)が、cinema digital seoul 2008 film festivalのコンペティション部門に出品され韓国批評家賞を受賞するなど、その後いくつかの映画祭で上映されている。 作家HP:http://igarashikohei.tumblr.com/ Twitter:http://twitter.com/#!/igakoh 上映日 Fプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)16:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)19:00 京都:6月8日(水)14:00 、福岡:6月2日(木)16:20 名古屋:6月16日(木)14:30 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


SPONCHOI Pispochoi:pecoraped

SPONCHOI Pispochoi pecoraped/2010/ビデオ/カラー/6分 音楽:hitoshi(Senses Circuit) 人間は実は、意思をもった虫たちの集まりだった。 そこへ突如現れた大きな寄生虫SPONCHOI Pispochoi。 虫たちとSPONCHOI Pispochoiは、いかに決別するのだろうか?(P.) 「モーニーング! いい朝ね。」「今日も素敵ね。オホホホホ!」 人々の平和な朝は突如、異物によって破られた。赤いホクロを発端とする惑星規模の集団感染。コミカルなキャラクターが、歌いながら楽観的に破滅に向かう様を描くドローイング・アニメーション。異物との戦いは、全人類の『幼年期の終り』へと導かれるのだった。 pecoraped 杉殿育恵と西尾都によるクリエイティブユニット。2006年結成。2007年『迷走赤ずきん』制作。国内外の映画祭で多数上映される。迷走赤ずきん展開催(東京)。2008年『調査』制作(NHK 星新一ショートショートより)。it’s ONORE展に参加(東京)。広島市立大学大学院メディア造形分野修了。2010年SPONCHOI Pispochoi展開催(東京)。 作家HP:http://pecoraped.com/ 上映日 Aプログラム 東京パークタワーホール:4月30日(土)14:00 東京パークタワーホール:5月7日(土)14:00 京都:6月8日(水)19:00、福岡:6月4日(土)13:00、名古屋:6月18日(土)17:00 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


おもかげ:佐竹真紀

おもかげ 佐竹真紀/2010/ビデオ/カラー/6分 協力:佐竹守平、佐竹旬子、佐竹亜矢、佐竹修一 写真:浦島甲一 尊敬する写真家の祖父が亡くなって10年が経とうとしています。忘れられた視点、祖父が見てたであろう風景。残された写真には、撮られた記憶のない幼い私がいました。祖父が毎日のように撮り続けていた故郷のハルニレの木は、優しく私を待っていてくれました。(S.M.) 編集台の上の一葉の写真。その真っ直ぐに伸びた道路のモノクロ写真が現在の同じ道路のカラー映像に切り替わり、そこに掲げられた鏡に映る作者の姿が風景のコマ撮りとともに幼い作者の写真と交替する。モノクロとカラー、過去と現在、撮られたものと撮るものを交錯させながら時間と空間の幻惑的な重層を浮かび上がらせる。 佐竹真紀 1980年北海道豊頃町生まれ。2005年北海道教育大学大学院美術教育専修(デザイン)修了。札幌市在住。写真やビデオが好きな家族により、自然と記録するということに興味をもつ。写真アニメーションによる表現、“記録”と“記憶”の狭間にある世界を探究している。『インターバル』、『暮らしあと』など。 作家HP:http://www.makisatake.com facebook:http://ja-jp.facebook.com/people/Maki-Satake/1400666692 上映日 Aプログラム 東京パークタワーホール:4月30日(土)14:00 東京パークタワーホール:5月7日(土)14:00 京都:6月8日(土)19:00 、福岡:6月4日(土)13:00 名古屋:6月18日(土)17:00 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


蛇が泣く:青柳清美

蛇が泣く 青柳清美/2010/ビデオ/カラー/5分 制作:青柳清美 草むらで女の子が蛇に出会う。ぎょっとしつつも、蛇の艶かしさに惹かれた女の子は、やがて蛇を愛しはじめる… 阿部定事件から着想。ありふれていないようで、ありふれた、愛。(A.K.) 野原に佇む少女の元に、一匹の蛇が近づく。赤くヌラヌラした身体をくねらせて少女にまとわりつくが、少女はそれを受け入れた。少女の愛に呼応するかのように、蛇は泣く。草原は激しい風にあおられ、衝撃の結末を迎える。精密な人形で複雑な感情を現した立体アニメーション。阿部定の有名な発言が効果的にインサートされる。 青柳清美 ちいさな学校卒業。2009年「嘘すぎる」イメージフォーラムフェスティバル招待(ほしのあきら、横溝千夏との共作)、2010年「蛇が泣く」Ask?映像祭 入賞、調布映画祭 入選。 Twitter:http://twitter.com/meeiimeei 上映日 Fプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)16:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)19:00 京都:6月8日(水)14:00 、福岡:6月2日(木)16:20 名古屋:6月16日(木)14:30 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


待ち合わせ:白玖欣宏+平岡佐知子

待ち合わせ 白玖欣宏+平岡佐知子/2011/ビデオ/カラー/3分 出演:川村瑠璃 整音:堀修生 協力:清水薫、高澤ナホ、谷端実、古澤龍、村上雄大 人の体に焦点をあて、シルエットで表現し、画面内の情報量を体の情報とレイヤー情報、音声情報しか与えない様にする事により、視聴者の奥行き知覚、遮蔽関係といった特有の視覚認識、更には視聴者の各々の自由な解釈での、空間・背景・色の補完を促す事を狙った。実際に友人と落ち合う迄の「待ち合わせ」の模様を記録した動画と音声素材を基に、友人が発した言葉のみを「ロトスコープ」を用い、画面上に抽出するという手法によって制作した作品。「群」から「個」を浮かび上がらせたかった。(H.Y. + H. S.) 人間は視覚的特徴をパターンで認識している。では実際に、ある部分を抽出してみたら世界はどう映るのか。渋谷駅前スクランブル交差点で試みてみよう。電話で逐一描写された服装の該当部分を、リアルタイムで拾い出し、切り抜き、白い画面に黒で位置と数に変換する! 気の遠くなる作業で人間の「当たり前」を再現する試み。 白玖欣宏+平岡佐知子 東京藝術大学大学院 映像研究科 修了(白玖)。武蔵野美術大学大学院 造形研究科 在学(平岡)。2008年より共同でデザイン制作を開始。「イメージフォーラム・フェスティバル 2009」入選、「ロッテルダム国際映画祭 2010」、「香港国際映画祭 2010」正式招待、「2010 ASK?映像祭」ASK?賞、「BACA-JA 2010」優秀作、「第14回 調布ショートフィルム・コンペティション」入選、「シンセダイ・シネマ・フェスティバル 2011」正式招待等を果たす。 facebook(白玖):http://ja-jp.facebook.com/people/Yoshihiro-Haku/100001467757435 facebook(平岡):http://ja-jp.facebook.com/people/Sachiko-Hiraoka/100002038936009 上映日 Gプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)11:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)16:30 京都:6月7日(火)14:00 、福岡:6月2日(木)18:40 名古屋:6月15日(水)14:30 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


遣取:小室萌佳

遣取 小室萌佳/2011/ビデオ/カラー/10分 万物は出会い生成と消滅を繰り返し、物を渡し合い、その遣り取りは無限に続くけれど、渦中をさまよう生は滑稽なまでの反復と秩序をもってここにあり続ける。私達は増減のしようが無い絶対量を、凝固し循環させては擦り合い、そしてどこへもいかない。 映像の実写素材は片栗粉、水、セミの足、ビールの泡。沢山の本物が私の制作を助けてくれた。(K.M.) キネティックアートを彷彿とさせる映像作品。ゴボゴボという泡音とともに現れる多彩なオブジェは、進化の過程かそれともただ停滞しているだけなのか。大きな展開の変化は見られないが、不思議な現象を発見したときの感動が10分間持続する。細部と全体を交互に見比べ、我々の知り得る世界観と強引に結びつける鑑賞法も一考されたし。 小室萌佳 1989年、広島県呉市生まれ。ライフワークである絵画の物語性を発展させ、映像・映像空間を制作する。2011年、武蔵野美術大学卒業・修了制作展で優秀賞を受賞。同大学映像学科卒業。現在、東京藝術大学大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 在学中。 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 名古屋:6月15日(水)17:00 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


ラブ!ミー!テンダー!:小林由美子

ラブ!ミー!テンダー! 小林 由美子/2010/ビデオ/カラー/29分 撮影:小林由美子 出演:小林芳治、小林トク子 ジャニーズの追っかけをして少年に無償の愛を捧げる娘、田舎で朝から晩まで働く父と母。末っ子の私は家を継げないから、かわりにカメラをまわし続ける。撮り続けたテープを見返したら、いつも家族ばかり撮っていた。ハードディスクの中の映像を再生して再撮して、フィルムもデジタルも過去も今も現実も願望もいっしょくたんにしてもわかんないくらい変わらない。アイドルの追っかけをしているダメな娘は、一生娘でいたいんです。(K.Y.) 私はずっと男児アイドル(ジャニーズJr)の追っかけの一員である。そこは嫉妬の渦巻く厳格な階層社会だ。「婿取り」と称してウエディングドレスで男子学生も追っかける事もある。どんな時も、ビデオカメラが回っている。長年撮り貯めた膨大な「私」。そんな私のいるべき場所を求め、それらを暴力的にリミックスしてみた! 小林 由美子 栃木県真岡市出身。多摩美術大学映像演劇学科卒業。半径60cmの極私的な映像を撮り続ける。大手レコード会社にてアイドルのMVやライブ映像のプロデュースを経て、女は27歳で迷うを見事に体現し、現在は日本人女子目線で批評を書き殴ったり「NAMAE」と言うミニコミを制作しつつ、映像作家・文筆業などしています。 Twitter:http://twitter.com/yumeco6 blog:http://yumeco6.blogspot.com/ 上映日 Hプログラム 東京パークタワーホール:5月3日(火)11:30 東京パークタワーホール:5月7日(土)16:30 京都:6月7日(火)16:30 、福岡:6月3日(金)14:00 名古屋:6月17日(金)12:00 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00


私の痕跡:永岡大輔

私の痕跡 永岡大輔/2010/ビデオ/カラー/4分 作曲:渡辺 裕紀子 音楽タイトル:rutick-tack-tick ヴァイオリン:伊藤真奈子 ピアノ:保科有希 協力:SUKJU Na ドローイングの時間の相転移としての映像表現を目指しています。連続する描いては消すと言う行為の膨大な記録は、最終的に時間の速度を変化させる事で、物語へと勧賞者を導きます。しかし、常に映像に現れる作者の身体は、行為の記録であると言うメタ構造を見せつけ、勧賞者を揺さぶりつつ展開します。今回の作品では、オフィスの休憩室で繰り広げられる、人間の振る舞いやそこに産まれるものについて描いています。(N.D.) 白い画用紙に鉛筆で次々に人物や小道具が描写される。作者の片手も映り込み、コマ撮りで高速に画ができあがる。アクションが起こる度、実直に描いては消し、描いては消し…。 全ての痕跡を残す事で動きが持続して見えるコミカルな映像。身体表現であり、完成する事のない絵画であり、アニメを考察するアニメーションである。 永岡大輔 現代美術作家。1973年、山形生まれ。東京在住。ウィンブルドンスクールオブアート修士修了。映像、平面作品を中心に、個人やコミュニティーといった移ろい行く境界線上にあらわれる世界を表現している。国内外の展覧会において作品を発表。近年ではバルセロナ・アート・コンテンポラリーフェスティバル2010、『JAPAN VIDEO WINDOW』Galerija DUPLEX/10m2(サラエヴォ)等に参加。 facebook:http://www.facebook.com/profile.php?id=1208832362 上映日 Aプログラム 東京パークタワーホール:4月30日(土)14:00 東京パークタワーホール:5月7日(土)14:00 京都:6月8日(土)19:00 、福岡:6月4日(土)13:00 名古屋:6月18日(土)17:00 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00