横3
EDEN:磯部真也

EDEN 磯部真也/2011/16ミリ/カラー/15分 スタッフ:伊藤らん、大谷理仁、青木岳明、深串大樹 岩手県八幡平市にある巨大廃墟、旧松尾鉱山跡。かつてその場所は「雲上の楽園」と呼ばれ、一万人の暮らしがあった。十数棟の鉄筋コンクリートの廃墟はゆっくりと朽ち果てながら、それでも未だあり続けている。この作品ではその場所にある無常と永遠という相反する時間を映像化しようと試みました。(I.S.)    かつては地上の楽園として繁栄しただろう廃墟の巨大団地。そのとある一室、古いテープレコーダーから歌が流れ、灰皿には吸いかけの煙草。ティーカップに注がれた紅茶はまだ暖かい…。作者は執拗に朽ちた建築物を徘徊する。季節が過ぎ、豪雪に埋もれてもなおカメラは廻る。生活の消えた場所から物語を紡ぎだす祈りのドラマ。 磯部真也 1982年生まれ。神奈川県出身。2007年東京造形大学大学院卒業。 2009年イメージフォーラム映像研究所に入り卒業制作として『EDEN』を制作。 上映日 Cプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)14:00 東京パークタワーホール:5月6日(金)16:30 京都:6月6日(月)14:00 、福岡:6月2日(木)14:00 名古屋:6月17日(金)17:00 横浜プログラム3 横浜:6月10日(金)16:30


THE 梅屋商店:渡辺亮

THE 梅屋商店 渡辺 亮/2010/ビデオ/カラー/9分 私の実家は水産加工業を営んでいる。その工場から聞こえる機械音を聞き、たくさんの捌かれた魚を見て育ってきた。幼少の頃の私には、工場全体が不気味な機械音を鳴らし、魚たちの目には怨念のようなものを感じていた。これは私の記憶の映画である。(W.R.) 水産加工工場のドキュメントと思いきや、夜の無人の工場。リズミカルなノイズ音を背景に、開閉する扉、走り回る台車やフォークリフト、動き回る電気の配線コードやゴム手袋の群れ、また壁に拡大投映された魚たちの目など、コマ落しやズームで加速された奇妙でシュールな世界が展開する。作者の幼い頃から残る記憶の世界だ。 渡辺 亮 1986年、茨城県生まれ。イメージフォーラム映像研究所33期生。今回の『THE 梅屋商店』が初作品。 上映日 Eプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)16:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)14:00 京都:6月6日(月)16:30 、福岡:6月1日(水)18:40 名古屋:6月17日(金)14:30 横浜プログラム3 横浜:6月10日(金)16:30


あめやさめ:タケヒロ雄太

あめやさめ タケヒロ 雄太/2010/ビデオ/カラー/70分 スタッフ・撮影協力:田中愛美 作詞・作曲:misa 2010年1月、じいちゃんが抗癌剤の治療をやめた。人の生き様と死に様、それは滴れ落ちた雨粒の様に、静かに一番安らげるところまで流れていってしまう。同じ11月3日に生まれた私とじいちゃんの、一歩ずつ、強く真っすぐに向き合う時間。(T.Y.) 祖父と同じ誕生日の作者が末期ガンを患う祖父の最期と向かい合うドキュメンタリー。山間の佇まいや夕景などの素晴らしい風景ショットに、ナレーションとともに挿入される雨や水の滴り。そこに人生の流れを象徴的に描きながら、此岸と彼岸を見つめる哀感を帯びた世界が展開する。生とは何だろうか、家族とは何だろうか。 タケヒロ 雄太 1982年生まれ 元テニスコーチ、元寿司屋、元留学生。『過日』・『Like a Drop Rain』・『SEE SEA SAW』など、エクスペリメンタルなフィルム作品を海外で発表してきた。 上映日 Gプログラム 東京パークタワーホール:5月2日(月)11:30 東京パークタワーホール:5月5日(木)16:30 京都:6月7日(火)14:00 、福岡:6月2日(木)18:40 名古屋:6月15日(水)14:30 横浜プログラム3 横浜:6月10日(金)16:30


内なるこども:田中愛美

内なるこども 田中愛美/2010/8ミリ/カラー/18分 出演:霍見ふみや わたしは自身の心臓や生殖器官を意識したことがない。きっとわたしの体内は空洞で、人格も持たない複数の【わたし】が居場所を探して彷徨っている。体内では【わたし】という一人称を複数の【わたし】が使う。わたしが【わたし】でなくなると、【あなた】は体外へ排出される。生命の円環。(T.M.) 愛でるようにクローズアップされた観覧車。少女が無心にブランコをリボンで飾る。少女のお腹には真珠の発疹が浮き上がる。大草原に浮かぶゴンドラ、霧の中のバレリーナ。羅列されたイメージはどれも儚くて懐かしい。理解し難い外の世界から身を守るかのように、世界に装飾を施す。8ミリフィルムの荒い粒子が効果的な映像詩。 田中愛美 1989年2月8日生まれ。17才からビデオ作品を制作し、19才で8ミリフィルムカメラに出会いフィルム作品を制作し始める。『内なるこども』は8ミリフィルム作品第4作品目。女性や構造をテーマに映画を撮り続けている。『スイソウ』『その日観覧車は自殺する』『囮GONGE』など。 上映日 Cプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)14:00 東京パークタワーホール:5月6日(金)16:30 京都:6月6日(月)14:00 、福岡:6月2日(木)14:00 名古屋:6月17日(金)17:00 横浜プログラム3 横浜:6月10日(金)16:30