B -プログラム
Grass/Sleep:五島一浩

Grass / Sleep 五島一浩/2010/ビデオ/カラー/10分 ピアノ:川北祥子 音楽プロデュース:ストラヴィンスキーアンサンブル サポート:五島由実 林でかくれんぼをしていて、茂みの中で息をひそめている記憶。時間感覚は次第にゆっくりになり、植物の時間と同化してゆきます。それは、眠りかも知れないし、臨死かも知れません。異界を覗く、子供だけが持っている特別な感覚。でも、私たちが大人になっても、異界は確かに足下に存在しているのです。 近似した静止画をオーバーラップすることによって得られる、不思議な酩酊感を楽しんでいただければ幸いです。 五島一浩 映像作家。フリーの映像制作者として、ビデオ、マルチメディアコンテンツなどの制作に携わる。モノクロームCG作品「FADE into WHITE #2」(’00)でイメージフォーラムフェスティバル2001大賞受賞。「z reactor」(’04)「Different Cities」(’06)他、映像作品多数。 作家HP:http://www.goshiman.com/ 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 、名古屋:6月15日(水)17:00


INKBLOT #2:松山由維子

INKBLOT#2 松山由維子/2010/ビデオ/カラー/10分 サウンドデザイン:森永泰弘 これは私の自画像であり、あなたの肖像でもある。ロールシャッハテストのようなイメージの変容は、いくつもの言語的な欲望を生み出し、いくつもの表情、幾人もの他者を見出すだろう。しかしこれはマクロの世界で墨汁と塩が生み出す微細な運動に過ぎない。この8ミリフィルムの多重撮影の繰り返しによって得られた偶然の集積は、小さな粒子の観察 であると同時に意味の生まれる場の観察でもある。 松山由維子 1972年、愛媛県生まれ。津田塾大学国際関係学科にて社会心理学を専攻し、映像をイージフォーラム付属映像研究所で学ぶ。 映像作品、インスタレーション作品を各国の映画祭、美術館等で発表。第10回釜山国際映画祭企画の第1回AFA (Asia Film Academy) に日本代表として選抜され参加(2005)。昨年は『Mediations Biennale』(2010、ポーランド)に参加。 作家HP:http://yuikomatsuyama.tanmono.com/index.html 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 、名古屋:6月15日(水)17:00


telescope:水野勝規

telescope 水野勝規/2010/ビデオ/カラー/15分 カメラを通して見る風景は、時に別の惑星の風景を見ているような錯覚を起こす。何百メートルなのか、何億光年なのか。もしかしたら、同じような風景がこの宇宙のどこかにあるのかもしれない。そんな近くて遠い風景。 水野勝規 1982年三重県生まれ。2005年名古屋造形芸術大学卒業。2008年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。2004年イメージフォーラム・フェスティバル一般公募部門にて『monotone』が審査員特別賞を受賞。 2005 年 『tone』、2008 年 『silent city』、2010年『graphite』をIFFにて上映。2011年 5月、アーティストランによる企画上映会『MOVING』を京都シネマにて開催予定。 作家HP:http://art.ninpou.jp/ 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 、名古屋:6月15日(水)17:00


EXIST:新山哲河

EXIST 新山 哲河/2010/ビデオ/カラー/2分 監督・映像: 新山哲河 音楽: 松本好央(FLOATING IN SPACE) 作品のテーマは「存在」です。風の揺らぎや光の輝きを切っ掛けに、空間に馴染んでいた透明物体が現れては突如として消えてゆく。与えられた時間の中で、ただ懸命に躍動、演舞し、その存在を表現し続ける。「それは個であり、集合体であり、全ては世界という存在の一部である」 そんなイメージを映像化しました。(N.T.) ニュートンとは異なり、ゲーテは色彩の生成に光と闇の両方が必要と捉えた。光と闇は作用し合う両極であり、その狭間に色彩が生まれるとする「色彩論」の感覚的図解のようなCG作品。膨大な計算で導きだされたデータの振る舞いであるにも関わらず、光と闇の躍動により一瞬生まれ出る色彩には、生命のあたたかみすら感じる 新山 哲河 CGディレクター/デザイナー。2009年、オリジナル作品『MIZU-HANABI』を発表。 作家HP:www.niiyama.com 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 名古屋:6月15日(水)17:00 横浜プログラム2 横浜:6月10日(金)14:10


狐火:土屋由貴

狐火 土屋由貴/2010/ビデオ/カラー/30分 はじめに火があった。記憶の中に流れる、ゆらめく火を映す川。提灯、ぼんぼり、古い街。調べてみると、描かれた火のもつかたちに惹かれた。そこからは、神様、妖怪、火の百鬼夜行。一つのモチーフが自分の中で様々なイメージに変化していった。現象から抽象へ―炎色反応や高速度撮影を繰り返し、絵画の中の炎に近付ける。映像は、具体的な物語を繋ぐだけのものではない。ここに流れる時間が、現象であり、化学であり、心象となるように。(T.Y.) 岩肌のようにざらついた黒い背景を前に、ふんわりと動き回る白い炎の群れ。時には左右対称に、時には上下対称に、浮かんだり落下したりする。その無秩序のようで秩序立ったシュールで摩訶不思議な絵模様が紡ぎ出す多様なイメージは見るものの想像力を刺激する。やがて画面の中央に紅蓮の炎が立ち上り、白い煙で覆われていく。 土屋由貴 1985年東京都生まれ。2010年武蔵野美術大学大学院映像コース修了。 2007年『沚(なぎさ)』イメージフォーラム・フェスティバル一般公募部門入選。 作家HP:http://yukitcy.tumblr.com/ 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 名古屋:6月15日(水)17:00 横浜プログラム2 横浜:6月10日(金)14:10


遣取:小室萌佳

遣取 小室萌佳/2011/ビデオ/カラー/10分 万物は出会い生成と消滅を繰り返し、物を渡し合い、その遣り取りは無限に続くけれど、渦中をさまよう生は滑稽なまでの反復と秩序をもってここにあり続ける。私達は増減のしようが無い絶対量を、凝固し循環させては擦り合い、そしてどこへもいかない。 映像の実写素材は片栗粉、水、セミの足、ビールの泡。沢山の本物が私の制作を助けてくれた。(K.M.) キネティックアートを彷彿とさせる映像作品。ゴボゴボという泡音とともに現れる多彩なオブジェは、進化の過程かそれともただ停滞しているだけなのか。大きな展開の変化は見られないが、不思議な現象を発見したときの感動が10分間持続する。細部と全体を交互に見比べ、我々の知り得る世界観と強引に結びつける鑑賞法も一考されたし。 小室萌佳 1989年、広島県呉市生まれ。ライフワークである絵画の物語性を発展させ、映像・映像空間を制作する。2011年、武蔵野美術大学卒業・修了制作展で優秀賞を受賞。同大学映像学科卒業。現在、東京藝術大学大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 在学中。 上映日 Bプログラム 東京パークタワーホール:5月1日(日)11:30 東京パークタワーホール:5月6日(金)19:00 京都:6月8日(水)16:30 、福岡:6月1日(水)14:00 名古屋:6月15日(水)17:00 横浜プログラム1 横浜:6月10日(金)12:00