S-プログラム
セントラル・リージョン:マイケル・スノウ
セントラル・リージョン:マイケル・スノウ

セントラル・リージョン
マイケル・スノウ/1971/16ミリ/カラー/180分


「記述:一本の映画、上映時間3時間。映画の初めはカメラがゆっくりと走査し、上へと動き出し、カナダ・ケベック州の無人地帯の山岳部を映し出す。ひき続きこの地帯をさまざまな動きで撮影する。この作品用に制作された装置は、それを中心としてカメラが上下前後左右いかなる方向にも自在に回転するよう作られた。ズームや絞りの変化も可能。スノウはカメラの動きを構成し、映画全体の計画を創り上げた。モントリールのピエール・アベロー(撮影)がサウンドテープによって複雑なパターンで動くシステムを作った。カメラの動きや速度がある点に達すると(『←→(バック・アンド・フォース)』と同様)相対的な転移が起こる。もはやカメラはセントラル・リージョン(と呼ばれる場)を動くのではなく、フレームが「静止状態」となるのだ。このフレーム静止のイリュージョンはたえず崩され、まったくの<知識>により反復される。この相対性は物事や意識が本来持つ相対性を増強する。『セントラル・リージョン』はそこにある、一本の映画、3時間、5巻。作者の言葉を引用して終りたい。「私は映画の機械的側面を拡大することで、より客観的感情が現われ、あなた(観客)がこれを誰かの表現とは考えないが、なぜどうやってこの全体が動いているのかとは思うようにしようと決めた。」スノウの自作解説にはこういう一節もあった。「映画はそこにあり、あなたはここにいる。両者は等価なのだ。ファシズムでもなければエンターテインメントでもない。」この文章を読んでなければ、私も同じことを書いただろう。」(1973年6月、ピーター・ジダル、「ライト・ワン」誌)


マイケル・スノウ
1929年生まれ。世界で最も重要な実験映画作家のひとり。映画作家以外に、画家、写真家、彫刻家、音楽家としても有名である。


上映日

Sプログラム
東京パークタワーホール:4月27日(土)16:15
福 岡:6月9日(日)17:20
名古屋:6月14日(金)16:30
横 浜:7月15日(月)16:15



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