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ジャパン・トゥモロウ入賞作品決定!

[2014.05.06]
 

一般公募部門「ジャパン・トゥモロウ」の授賞式が、東京開催最終日の5月6日、パークタワーホールにおいて行なわれ、入賞5作品が下記の通り発表され、各賞が贈呈されました。

 

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大賞/1点(大賞楯、賞状、賞金30万円)
「消失する回路」 長谷川俊介

寺山修司賞/1点(賞状、賞金20万円)
「花芽」 中野咲

優秀賞/3点(賞状、賞金各10万円)
「Waiter」 山田遼志
「雲とか虫とかテツジョウモウ」 栗原みえ
「GYRØ」 円香

 

 

審査総評

今回の最終審査員は、全く異なるバックグラウンドを持つ3人でしたが、大賞はすんなりと全会一致で「消失する回路」に決まりました。モノクロの静止画面に一部だけ動きをつけるという独特の手法により、夜の都市を孤独な魂が浮遊するかのような、鮮烈で不思議な感覚に、我々審査員はみな魅了されました。周到に計算された空間と動きが作り出す世界は、作者の映画への深い造詣を感じさせるものでした。

寺山修司賞の「花芽」は、シンプルな線と動きで強烈なイメージをくっきりと浮かび上がらせ、見る者の想像を刺激し、情感を掻き立てる優れた技巧のアニメーションであると評価されました。

優秀賞に選んだ3作品のうち、「雲とか虫とかテツジョウモウ」は、映しだされた映像の向こうにあるもの、イメージの奥に広がる豊かな世界というものを感じさせました。作者自身によるナレーションの独特のトーンが、作品全体を気取らす親しみやすいものにし、温かなものが胸に染みこんでくる感動を覚えました。この作品を寺山修司賞に、という意見もあったことをここに申し添えておきます。

優秀賞の「Waiter」は、暗くシュールな幻想的世界が魅力的で、怪奇なビジュアルと、どこか神経を逆なでするような動きが、マッチしていた点が評価されました。

同じく優秀賞の「GYRØ」は、シンプルで印象的なキャラクター造形と、残像を残すようなアニメーションがあいまって、独自のユニークなスタイルを作り上げているところが評価されました。

入賞した5作品以外にも、ノミネート作の中には、印象的なイメージや独特の語り口を見せたものや、映像を通じて訴えたい強い思いを感じさせたものも多くあり、それぞれの作家のこれからの可能性に大いに期待します。

 

イメージフォーラム・フェスティバル2014

ジャパン・トゥモロウ最終審査員

ヴィヴィアン佐藤(美術家、ドラァグクイーン)
小原篤(朝日新聞文化くらし報道部記者)
ホセ・ルイス・ゲリン(映画監督)

 

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