プログラム

ニューフィルム・ジャパン(日本招待部門)

中長編化する個人映画・実験映画

今年の上映作品には中長編が多い。一般公募ノミネート作品、日本招待作品ともに見られる傾向で、ノミネートに至らなかった一般公募部門の応募作品にもこの傾向は顕著にあった。これは日本作品に限らず、海外招待作品にも共通する現象だ。
そうした中長編作品でとりわけ目を引くのは長期撮影によるパーソナル・ドキュメンタリー群である。日本招待作品で言えば、前田真二郎『日々“hibi” AUG 6years mix [2008-2013]』、大木裕之『メイⅡ』、このジャンルの先行世代のかわなかのぶひろの『痕跡imprint内藤陳がいたー(完全版)』、一般公募ノミネート作品では齋藤正和『休日映画2009-2013』などである。ビデオ草創期からの膨大なフッテージを再構築するかわなか作品、コンセプチュアルで即興的な前田作品、5年間の5月を独特の感性で紡ぐ大木作品、家族をモチーフにしながら外界との回路を示す齋藤作品と、その表現としての形はどれもまったく異なる。その見比べを是非お勧めしたい。手塚眞の『惑星TEトLA』もそのパーソナルな精神という意味では重なってくるのかもしれない。
ドラマ的な作品も多彩だ。ノミネート作品では『みちくさ』(中尾広道)、『残光』(廣田智大)、招待作品であれば『最後の天使』(伊藤高志)、『Rabbit』(徳本直之)などである。テレビなどの既製ドラマとは対極的なナラティブ表現にも注目していただきたい。今年の日本作品は、一般公募ノミネート作品が16作品、日本招待作品が31作品(内インスタレーションが2作品)の計47作品、全11プログラムで構成される。
 

 
 

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