プログラム

クワイエット・ゾーン

クワイエット・ゾーン
 

2015/35ミリ(デジタル版)/15分(カナダ)
  
『クワイエット・ゾーン』の監督たちは、電磁波過敏症に悩まされる者たちの体験する世界の奥深くへとわれわれをいざなう。「電磁波難民」ともいわれるこの人たちは、ウエスト・バージニア州のグリーンバンク電波天文台周辺の「米国指定電波規制地域」(ナショナル・レディオ・クワイエット・ゾーン)に定住した。『クワイエット・ゾーン』はドキュメンタリー、フィルム・エッセイ、実験映画の要素を融合させてジャンル分けを無効化し、類いまれな物語を紡ぎだす。音響と映像によって現実が歪められ、電波過敏症の人々の苦痛や苦悩を観る者に実感させるのだ。
映像と音を複雑に組み合わせることで、きわめて刺激的な映画的瞬間が生成する。その優美な瞬間、電磁波が周囲の環境の中に具現化されるさま、壁をつたい強力な振動と共に空間に侵入するさまを観客は目撃するのだ。音楽グループ「ゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラー」での活動で知られるデイヴィッド・ブライアントとカール・レミューは、研ぎ澄まされた感覚の宿る驚異的な作品を生み出した。
 

カール・レミュー

1980年カンセ・ファル(カナダ・ケベック州)生まれ。実験映画制作チーム、ダブル・ネガティブ・コレクティブの共同設立者。数作の実験映画(『モーション・オブ・ライト』2004、『ウエスタン・サンバーン』2006、『マモリ』2010)を監督し、前衛音楽のアーティストとも映像パフォーマンスで数多く共演している。2010年からはゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラー(バンド)と共にパフォーマンスを行う。
 

デイヴィッド・ブライアント

音楽家、録音技術者、サウンドデザイナーで、ゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーやヒス・トラクツ、セット・ファイア・トゥ・フレイムスなどのバンドのメンバーとして知られる。2004年にパインズ・レコーディング・スタジオを設立し、『マダム・トゥトリ・プトリ』(クリス・レービス&マシー・シェボウスキー監督、2007)や『パサージュ』(カール・レミュー監督、2007)の音楽及びサウンドデザインを担当した。『クワイエット・ゾーン』が監督デビュー作。
 

上映日

東京 パークタワーホール:4/29 11:30 Oプログラム、5/5 18:45 Oプログラム
京都:5/16 18:50 Oプログラム
福岡:6/7 13:10 Oプログラム
名古屋:6/27 17:00 Oプログラム

 
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