阿部舜/2015/デジタル/カラー/11分
アニメはどこへ行ってしまったのだろうか。
時間や場所の制約なしにアニメを見ることができる今、私が感じるこの寂しさはなんなのだろうか。
そんなことを考えていると、私の前にその謎の生命体は現れた。その様子は、母の持つビデオカメラに記録されていた。(A.S.)
ラフな手描きアニメで描かれた不定形な生き物が、日常の中に投影される。作者と母とのとぼけた掛け合いで醸しだされる不思議なリアリティ。プロジェクションマッピングをはじめとするハイテク映像を嘲笑うかの如きアナログ手法が、我々の周りのメディア機器から生成されているものが何なのか、鋭く問いかける。
1991年生まれ。2014年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報デザインコース卒業。2016年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。アニメーションの在り方や見せ方をテーマに制作している。