プログラム

ホテル赤い靴

ホテル赤い靴
 

リサ・スピリアールト+クララ・スピリアールト/2013/デジタル/15分(ベルギー)
  
“赤い靴 はいてた 女の子
異人さんに つれられて 行っちゃった
横浜の 埠頭から 汽船に乗って
異人さんに つれられて 行っちゃった
今では 青い目に なっちゃって
異人さんの お国に いるんだろう
赤い靴 見るたび 考える
異人さんに 逢うたび 考える”
(日本の童謡『赤い靴』1922年)
 
赤い靴をはいた女の子が、青い目の男と一緒に横浜の埠頭から遠い国へと旅立つ。横浜は東京の近くにある最も古い港のひとつで、国際線の船舶が発着するところだ。1922年に作られたこのノスタルジックな童謡は“赤い靴の少女”としてよく知られており、今なお古典として歌い継がれている。日本にある私の両親の家の近くにあるホテルは東京にあまたある“ラブホテル”のひとつなのだが、この歌と同じ名前がついていて、ホテルの名前も外観もこの物語の独特なノスタルジックな雰囲気とエキゾチックさを醸し出している。偽物のレンガで出来た建物にヨーロッパ風な飾り付けが施されたこのホテルは、穏やかな住宅街で妙なコントラストを生み、東京に住んでいるベルギー人とのハーフの姉妹の私たちに強い印象を残したものだった。この作品は、このホテルについてのパーソナルなアーカイブであり、この歌に対しての私たちの新しい解釈を描いている。ここでは赤い靴は赤い糸の隠喩となり、日本にもベルギーにも共通な私たちを駆り立てる欲望が、その場所に染み込んでいく。 (L.S.+K.S.)
 

上映日

東京:4/30 18:45, 5/5 11:00 プログラム P
京都:5/21 11:00 プログラム P
名古屋:6/25 15:20 プログラム P
横浜:7/17 14:00 プログラム P

 
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