五島一浩/2004/デジタル/カラー/11分
『z reactor』では、近似した沢山の静止画をディソルブし、通常の動画以上の立体感、移動感を表現しようとしました。ここで省略された情報は、一つの風景を見る二つの視点の間にあったはずのものです。大裂姿に言えばそれは、本来は写っていないコマ間の情報を、見る者の脳が補完して認識するという映画の基本概念に(さらには空間認識の根本に)、直接触れる体験であると思います。重層する都市-東京の姿を、連続する静止画とディソルブだけで再構築しようと試みた作品です。(G.K.)(IFF2004カタログより)
映像作家。感覚の分解、アナログ・デジタルの境界をテーマに創作活動を行う。モノクロームCG作品「FADE into WHITE #2」(00)でイメージフォーラムフェスティバル2001大賞受賞。近年は3D映像「SHADOWLAND」(13)、コマのない動画システム「これは映画ではないらしい 」(14)等を発表している。