人のかたち
能瀬大助／1998／8ミリ／カラー／20分
東京のとある路地。いわゆる谷根千だろうか。風情もあって路上観察の人気スポットだ。作家はカメラを持った自分の影ばかりを採集し、やがてその影の輪郭をなぞる行為に移る。路上の影 は自身と太陽とが作るスクリーンであり、その輪郭は太陽の動きによって描いた瞬間にはズレてしまう。永遠に固定されることのない「かたち」とは、路上に観察された生きた私の姿である。思弁的なコンセプトを乾いたユーモアで描くリニア（線的）映画。（澤隆志）
能瀬大助
1972年生まれ。東京藝術大学卒業。イメージフォーラム付属映像研究所21〜22期修了。『日日日常』（1999）でIFF2000入選。主な作品：『お母さんへ』（1998）、『無理して遊ぶ』（1998）、『ラジオ体操の時間』（2003）
