プログラム

S パフォーミング・ザ・セルフ

6作品72分

 

01_モダン・イメージ

モダン・イメージ ジョン・メイブリー

 

02_ソリチュード

ソリチュード

 

バンガロー

バンガロー・ディプレッション

 

04_プライベート・ビュー

プライベート・ビュー

 

05_エコー&ザ・バニーメン

エコー&ザ・バニーメン:シャイン・ソー・ハード

 

アダム・アント:スタント〜

アダム・アント:スタンド・アンド・デリヴァー

1980年代初頭、クラバー、美大生、ニュー・ロマンティック、そしてポストパンク・シーンの人々は安価で身近なテクノロジーを用いて新しい表現手法を探り、メインストリームのメディアに対抗した。執念深く検閲を逃れたインディペンデントなVHSテープが販売され、また、スーパー8は安価にも関わらず極めて詩的で直接的な表現ができるメディアとして受け入れられていた。パンクのDIYなアプローチがパワフルに蘇ったのだ。それは、新たな視点や声が挙った時代でもあった。女性やゲイ、黒人の映画作家らが台頭していたが、同時に彼らの多くは友人同士でもあり、アパートにスクウォットし、クラブに通い、新しいスタイルと技術を共に発展させていった。
デレク・ジャーマンとの仕事がない時は、ジョン・メイブリーとケリス・ウィン・エヴァンスはスーパー8集団の中でその先駆けとして活躍していた。友人であるリー・バウリーやスージー・スーをキャスティングし、断片からなる夢幻的なシナリオの作品を作っていた。アイザック・ジュリアンとグレイソン・ペリーも映画を作っていたし、その後ポップミュージック・ビデオ監督として名をあげる若き日のソフィー・ミュラーもやはり映画を作っていた。
同じ頃、短い間ではあったが大きな影響を残したスクラッチ・ビデオ・ムーブメントのアーティストたちは、ポピュラー映画やテレビの素材をズタズタにし変質させ、濃密でリズミカルなモンタージュ作品を生み出していた。それらは多くの場合、ウィットにも富んでいた。
これらのプログラムでは、メディアが生み出すイメージとアイデンティティーの曖昧な境界線を探求し、自己と世界の新しい対話を生み出した1980年代初頭の作品を集めている。それは不安定な政治的論争の時代であり、生活の役に立つテクノロジーがでてきたことで人々の間にひずみも生んでいた時代だった。まるで今日のインターネットのように。アーティストたちは、イメージやテクノロジーが何なのかを考え、真の意味を探っていた。
これらのプログラムに含まれる8mmや16mmの作品の多くは30年もの間上映されることがなかったが、現在BFI国立アーカイブが進めている、重要であるにも関わらず無視されてきたイギリス実験映画の歴史的作品を復元するプロジェクトの一部として、近年2Kスキャンでリマスターされた。
 

 
パンクが提起したアイデンティティ、自我、身体の問い直し。アーティストたちは仮面や化 粧を利用し、自己の構築や表出に疑問を呈する。幻想的な実験映画と極彩色のポップな ビデオが奇妙に融合し、80年代の初頭にヴィジュアル・カルチャーがいかにラジカルに変容したかが改めて見て取れる。
 
アイデンティティー、自己、身体といったものの新たな考え方は全てパンクのパワフルな遺産だ。夢想的な実験映画と明るく生意気でポップなビデオの、この想像を超えた混合物は、視覚文化が1980年代頭にどれほど劇的に変わったかを示している。ジャンルの垣根は曖昧になり、仮面とメイクを用いて従来のアイデンティティーの創出と表現に疑問を投げかけた。多くの場合、キッチュなエレクトロニック・メロディーを伴って。
 
モダン・イメージ ジョン・メイブリー/8ミリ(デジタル版上映)/13分/1978(イギリス)
ソリチュード ジョン・メイブリー/8ミリ(デジタル版上映)/13分/1981(イギリス)
バンガロー・ディプレッション グレイソン・ペリー+ジェニファー・ビニー/8ミリ(デジタル版上映)/4分/1981(イギリス)
プライベート・ビュー ザ・ネオ・ナチュリスト/8ミリ(デジタル版上映)/7分/1981(イギリス)
エコー&ザ・バニーメン:シャイン・ソー・ハード ジョン・スミス/16ミリ(デジタル版上映)/32分/1981(イギリス)
アダム・アント:スタンド・アンド・デリヴァー マイク・マンスフィールド+アダム・アント/ビデオ/3分/1981(イギリス)
 

上映日

東京:5/2 21:15, 5/6 13:45 プログラム S
京都:5/22 11:00 プログラム S
名古屋:6/26 11:00 プログラム S
横浜:7/17 18:30 プログラム S 
 
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