プログラム

U 暗いガラス越しに

8作品76分

 

01_傷

 

02_ハルツ山脈への冬の旅

ハルツ山脈への冬の旅

 

03_リキッド・ビデオ

リキッド・ビデオ

 

04_ザ・ブランクス

ザ・ブランクス

 

05_全てベニヤ

全てベニヤ、支え骨なし

 

06_23 スキドゥー_FUGI

23スキドゥー:F.U.G.I.

 

07_グレイソン:花:宝石

グレイソン:花:宝石

 

Goddard_Lyrical Doubt_2

リリカル・ダウト

1980年代初頭、クラバー、美大生、ニュー・ロマンティック、そしてポストパンク・シーンの人々は安価で身近なテクノロジーを用いて新しい表現手法を探り、メインストリームのメディアに対抗した。執念深く検閲を逃れたインディペンデントなVHSテープが販売され、また、スーパー8は安価にも関わらず極めて詩的で直接的な表現ができるメディアとして受け入れられていた。パンクのDIYなアプローチがパワフルに蘇ったのだ。それは、新たな視点や声が挙った時代でもあった。女性やゲイ、黒人の映画作家らが台頭していたが、同時に彼らの多くは友人同士でもあり、アパートにスクウォットし、クラブに通い、新しいスタイルと技術を共に発展させていった。
デレク・ジャーマンとの仕事がない時は、ジョン・メイブリーとケリス・ウィン・エヴァンスはスーパー8集団の中でその先駆けとして活躍していた。友人であるリー・バウリーやスージー・スーをキャスティングし、断片からなる夢幻的なシナリオの作品を作っていた。アイザック・ジュリアンとグレイソン・ペリーも映画を作っていたし、その後ポップミュージック・ビデオ監督として名をあげる若き日のソフィー・ミュラーもやはり映画を作っていた。
同じ頃、短い間ではあったが大きな影響を残したスクラッチ・ビデオ・ムーブメントのアーティストたちは、ポピュラー映画やテレビの素材をズタズタにし変質させ、濃密でリズミカルなモンタージュ作品を生み出していた。それらは多くの場合、ウィットにも富んでいた。
これらのプログラムでは、メディアが生み出すイメージとアイデンティティーの曖昧な境界線を探求し、自己と世界の新しい対話を生み出した1980年代初頭の作品を集めている。それは不安定な政治的論争の時代であり、生活の役に立つテクノロジーがでてきたことで人々の間にひずみも生んでいた時代だった。まるで今日のインターネットのように。アーティストたちは、イメージやテクノロジーが何なのかを考え、真の意味を探っていた。
これらのプログラムに含まれる8mmや16mmの作品の多くは30年もの間上映されることがなかったが、現在BFI国立アーカイブが進めている、重要であるにも関わらず無視されてきたイギリス実験映画の歴史的作品を復元するプロジェクトの一部として、近年2Kスキャンでリマスターされた。
 

 
80年代の挑発的な映像作家たちは、独特なオカルト的感覚で映像を水晶玉や鏡に見立て、見るものの感覚を組み替えようとした。インダストリアル・ミュージック・シーンと結びついた過激で反逆的な表現が含まれるプログラム。
 
1980年代初頭の挑発的な映像作家たちは、オカルト的な興味に探求した。彼らは映像を予言が映し出される鏡や水晶玉のように扱い、確かなものと不確かなもの、対象と主題、肉体と精神などの狭間で、改めて知覚というものを捉え直し、その差を問うていた。このプログラムでは挑戦的で超越的な、元々はインダストリアル・シーンと関わりのあった作品を集めている。
 
傷 ジル・ウエストウッド/8ミリ(デジタル版上映)/18分/1984(イギリス)
ハルツ山脈への冬の旅 コーデリア・スワン/ビデオ/12分/1983(イギリス)
リキッド・ビデオ マイケル・コスティフ/8ミリ(デジタル版上映)/10分/1983(イギリス)
ザ・ブランクス 羽田明子/ビデオ/7分/1982(イギリス)
全てベニヤ、支え骨なし ホリー・ワーバートン/8ミリ(デジタル版上映)/5分/1980-84(イギリス)
23スキドゥー:F.U.G.I. リチャード・ヘスロップ/ビデオ/5分/1983(イギリス)
グレイソン/花/宝石 ジェニファー・ビニー/8ミリ(デジタル版上映)/3分/1985(イギリス)
リリカル・ダウト ジュディス・ゴダード/ビデオ/16分/1984(イギリス)
※一部過激な暴力的・性的表現が含まれるため18歳未満の方の入場をお断りします
 

上映日

東京:5/4 21:15, 5/6 18:45 プログラム U
京都:5/22 16:30 プログラム U
名古屋:6/26 15:20 プログラム U
横浜:7/18 14:00 プログラム U 
 
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