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神様はつらい

神様はつらい
 

2013 / デジタル / 177分(ロシア)
  
科学者のチームが、惑星アルカナルに調査団として送られた。中世の地球のように抑圧的な政府の支配下にあるアルカナルの地元住民は、読み書きできる人々に関する禁止令に苦しんでいた。
アルカナルの政治的・歴史的な出来事に影響を及ぼすことを禁じられている科学者たちは、表立つことなく中立的立場から調査しなくてはいけなかった。
革新的な神として地元民に知られるドン・ルマタは、知識人を処罰から守ろうとする。「神の地で何をするのだ?」と主張せずにはいられないのだ。原作は、アルカジイ&ボリス・ストルガツキーの1960年代のカルトSF小説「神様はつらい」。
 

アレクセイ・ゲルマン

1938年、レニングラード生まれ。ロシアの“人文主義”の著名な作家であり、演出家フセヴォロト・メイエルホリトの良き友でもあったユーリ・ゲルマンを父に持つ。父親を説得してレニングラードで演出を学んだ後は、1950—60年代のロシア演劇の中心人物、ゲオルギー・トフストノーゴフと活動を共にした。
1964年からはレンフィルムの仕事をするようになり、1971年に父ユーリの小説にインスピレーションを得た『道中の点検』を完成させる。しかし、第二次世界大戦を舞台にしたその作品は、史実をゆがめているとして即上映禁止となってしまい、その後1985年まで公開されることはなかった。1984年、ゲルマンは再度父親の小説をもとに、代表作となる1930年代前半を舞台にした『我が友イワン・ラプシン』を撮る。このゲルマンによる“ソ連の歴史の肖像”は政府の怒りを買い、映画館での上映はすぐに中止になった。ゲルマンは、生活のために妻スヴェトラーナ・カルマリータと共に脚本を執筆し、妻の名義で発表していた。
1990年代に生まれた新しい政局のもとで撮った『フリュスタリョフ、車を!』は、カンヌ国際映画祭のコンペティションに出品、1998年に公開した。スターリンの恐怖政治時代を経て、もはや芸術は以前と同じようには存在できないという結論に至ったのが、『フリュスタリョフ、車を!』である。
2000年になって、ようやくロシア映画の巨匠のひとりとして認知されたゲルマンは、数々の賞を受賞。次に取りかかったのが、ストルガツキー兄弟の代名詞ともなった小説『神様はつらい』の映画化という壮大なプロジェクトで、13年もの時間をかけて制作された。この作品でゲルマンは、文明というものの全てをスクリーンに映し出し、冷徹とも言える精密さと深い慈悲の心をもって人類の歴史を顧みている。
  

上映日

東京 パークタワーホール:4/27 17:00 5/4 16:15
京都:5/17 16:45

 
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