中世“暗黒時代”で進化を止めてしまった惑星アルカナルに、地球から科学者たちが観察のために派遣されている。未来から知識を携えてやってきた彼らは現地で神の如き存在であるが、目の前で大量殺戮が繰り広げられても彼らは介入することを許されず、できることはそれを傍観することのみである……。製作に15年費やし、2013年に完成間近で亡くなったロシア映画の巨匠アレクセイ・ゲルマンの遺作。汚泥、糞尿、血漿、嘔吐物、唾液、肉片を画面いっぱいに炸裂させたゲルマン最後の傑作は、これ以上のものは今後の映画史に現れないだろうと観るものに確信させる視覚的圧力・物量を備えている。「反商業主義の頂点に君臨する映画」(アレクセイ・ゲルマン・Jr)。
神様はつらい アレクセイ・ゲルマン/ 原作:ストルガツキー兄弟『神様はつらい』/ デジタル/177 分/2013(ロシア)