1966年に完成した大谷幸夫設計による国立京都国際会館は、環境に適応して増殖・変容する建築=メタボリズムの理想を色濃く反映している。1997年には、この建物において開かれた国際会議において京都議定書が採択された。『メタボリズムをこえて』では、『アンダー・コントロール』(2010)のフォルカー・ザッテルとシュテファニー・ガウスがこの建物を通じて、高度成長期を経て現在にいたった我々の思い描く未来について問いかける。東京・神宮前の6坪弱の土地に1966年に建てられた、建築家東孝光の自宅を撮影した『塔の家』。後の建築に大きな影響を与えた住宅の現在の住人のインタビューを交えながら、その特徴である縦に広がる空間を、カメラが回転しながらゆっくりと這い上がっていく。4/30(水)18:45の回上映時には『メタボリズムをこえて』監督によるティーチ・インを予定。
メタボリズムをこえて シュテファニー・ガウス+フォルカー・ザッテル/デジタル/41分/2014(ドイツ+日本)
塔の家 カール=ハインツ・クロプフ/デジタル/62分/2013(オーストリア+日本)