村岡由梨/2016/デジタル/白黒/10分
出演:村岡由梨、鈴木眠、鈴木花/美術・撮影:村岡由梨/協力:鈴木野々歩、鈴木志郎康、後田彩乃
統合失調症(スキゾフレニア)の治療を始めて7年目の自画像。日々の暮らしの中で私を苦しめる「奇数」という名の強迫観念と、死刑宣告を受けて、刑壇が落下する音と共に、「現実」が足元から瓦解する自我の崩壊の恐怖。(M.Y.)
美術や衣装、音楽、精神分析的な内容に至るまで、首尾一貫して1920年代のヨーロッパにおける創作領域に光学技術を駆使して踏み込んだ。その多々ある形式の引用に加えて垣間見える現代の風景が印象深い。ひっそりと起立するクレーンや円形の時計は主題のメタファーか。映像の遠い記憶と近い記憶が並立するなかでコラージュされる身体学。
1981年東京生まれ。日本女子大学附属高等学校中退、イメージフォーラム映像研究所第26期卒業。一貫して「セルフポートレート」にこだわった自作自演の映像作品・写真作品などを制作している。2児の母。