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俳優、ヘルムート・バーガー

俳優、ヘルムート・バーガー
 

アンドレアス・ホルヴァート/2015/デジタル/90分(オーストリア)
  
18歳の時、1960年代の閉塞感が充満した故郷ザルツブルグを飛び出す。彼の視界は周囲の人々より遥かに広く、色彩と神秘に満ちていた。持ち合わせた幸運と才能、そして努力の賜物で、すぐにルキーノ・ヴィスコンティの元へと迎え入れられることとなる。美貌を極めスターダムを登り詰めたバーガーは、1970年代の熱狂的なジェットセット(ジェット機で世界を飛び回る富裕層)のライフスタイルの典型となった。思わぬ本拠地となったサントロペで、ジェットセットの人々は日々タブロイド紙に浮わついたスキャンダルを提供していたが、バーガーもまたその中心人物であった。ヴィスコンティが1976年に亡くなり、バーガーは最愛の監督というだけでなく最高の師、恋人、父親でもあるような存在を失ってしまう。
年老いたヘルムート・バーガーの私的な部分に迫ったポートレイトである本作品は、バーガーのぞんざいな性格を露わにし、本当はどのような人であるかを映し出す。注目や絆や親密さといったものへの渇望、ウィーン・アクショニズムに似た動きで感情をむき出しにするバーガーの過激さと無慈悲さ、アクショニストに酷似したパフォーマンスアートを不快感を伝える手段としてしまう様までを。
 

アンドレアス・ホルヴァート

1968年、オーストリアのザルツブルグ生まれ。ウィーンで写真を、ザルツブルグでマルチメディアを学ぶ。その後、フリーの写真家・映画監督として、写真集の出版やインディペンデント映画の制作を行う。ホルヴァートのドキュメンタリー作品はシカゴ国際ドキュメンタリー映画祭、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭、マックス・オフュルス映画祭など、数々の国際映画祭で受賞してきた。写真家としては、シベリアのヤクート地方やアメリカの田舎をモノクロの写真でとらえた作品集を出版している。2013年にオーストリア芸術文化省から優秀芸術家賞を受賞した。
 

上映日

東京:4/29 21:15, 5/3 11:00 プログラム N
京都:5/22 19:00 プログラム N
福岡:6/4 18:30 プログラム N
名古屋:6/26 17:00 プログラム N

 
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