プログラム

U ヨースト・レクフェルト1 ライト・マターズ

11作品70分

 

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誘惑 ジョーダン・ベルソン

ヨースト・レクフェルト作品についての2つプログラムでは、彼の初期作品と重要なインスピレーションになった他の作家による作品を上映する。

レクフェルトが抽象的映画の制作を始めたのは、「ヴィジュアル・ミュージック」への関心からだった。「組織化された音の芸術」である音楽と対照されるような、光の連なりの芸術というものを夢見ていた。しばらく電子音楽を勉強し、映像の実験を重ねた後、レクフェルトは映画制作への独自のアプローチを発見した。電子音楽の考え方を映像の構成に適用させる方法である。このプログラム内の彼のほぼすべての作品には詳細な譜面が存在するが、それらはシュトックハウゼンやクセナキスら20世紀の作曲家が使った技法の影響下にある。彼はまた、映像を作り出すために独自の道具を作ることが、実際の映像そのものを作ることと同じくらい重要な、作品完成までのプロセスの一部である、というメソッドを展開した。道具を制作していく中で、人間とテクノロジーの関係性への尽きない関心が生まれ、彼のインスタレーションや舞台作品の基盤が築かれていった。

このプログラムで他に上映するのは、ジェイムズ・ホイットニー、ジョーダン・ベルソン、ハイ・ハーシュらの歴史上重要な抽象映画である。アメリカ西海岸を拠点としたこの3人の映像作家たちは、抽象映画のマスターピースといえる作品を数多く生み出した。通常はスタン・ブラッケージの作品は抽象アニメーションの歴史の文脈では語られない。しかし彼の原始的光学への関心と、フィルムというメディアをパーソナルに用いる手法はレクフェルトにとっては重要だった。バート・フェヒターの人生と作品も同様である。フェヒターはオランダ人で抽象映像作家という同業者でもあり、長年の友人で数年にわたって近隣に住んでいた。
 
誘惑  ジョーダン・ベルソン/16ミリ/7分/1961
ヤントラ  ジェイムズ・ホイットニー/16ミリ/8分/1950-57
#2  ヨースト・レクフェルト/16ミリ/12分/1993
IFS-film  ヨースト・レクフェルト/16ミリ/3分/1991-94
VRFLM  ヨースト・レクフェルト/16ミリ/2分/1994
コミングルド・コンテイナーズ  スタン・ブラッケージ/16ミリ/5分/1997
Gyromorphosis  ハイ・ハーシュ/16ミリ/7分/1956
#3  ヨースト・レクフェルト/16ミリ/4分/1994
#5  ヨースト・レクフェルト/16ミリ/6分/1994
時間  バート・フェヒター/デジタル/9分/2008
#43.4  ヨースト・レクフェルト/デジタル/1分/2012
 

上映日

東京 パークタワーホール:5/3 13:45 Uプログラム、5/4 18:45 Uプログラム
福岡:6/6 13:10 Uプログラム
名古屋:6/28 15:20 Uプログラム 
 

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